篝講かがりこう

行き交う船の 安全を守る道しるべ

令和元(2019)年より伊丹産業(株)が担う「篝講(かがりこう)」は、祭りの夜に川面を照らす「篝」を扱う講社として、ご奉仕しています。天神祭の宵宮・本宮では17時から22時まで48基の篝を焚き、川面の宵闇を照らし祭りの安全を支えています。設営・運営・保守に当たる人員は7月23日~25日の3日間で延べ125名。

24日、25日の2日間は、能楽奉賛会の「舞台船」に設置される篝火4基、南天満公園の川岸に設置される「衛士篝(えじかがり)」35基。そして、25日の船渡御では御鳳輦講の「御鳳輦奉安船(ごほうれんほうあんせん)」の船頭に吊下篝火を2基、供船講の砂船を使った「篝船」2隻には篝火を1基ずつ設置します。

源八橋下流と飛翔橋上流に停泊する篝船は、船渡御で行き交う約100 隻の船が安全に進むための“道しるべ”としての役割があります。同時に川面を照らす篝の灯りは、厳かで美しい祭の夜の景色を生み出します。

薪からLPガスへ 川面を照らし続ける篝

寛政7(1795)年に篝講が創立された江戸時代には、薪(たきぎ)を使って篝火(かがりび)が焚かれ、代々薪炭問屋(しんたんどんや)によって講が構成されていました。その後、技術の発展と共に多くの問屋が、薪炭からLPガスなどを扱う燃料へ転業し、薪での篝を維持することが難しくなり、篝講は一度途絶えます。

昭和60(1985)年、天神祭を照らす篝の復活を願う大阪天満宮より依頼を受け、末澤産業(株)がLPガスによる篝火を奉納し、再び篝講が復活します。LPガスを使った篝火は、薪部分を鉄製フレームで組み、中央にLPガスによる炎を灯すことで、薪が燃えているかのように再現されています。

そして令和元(2019)年以降は、兼ねてよりご奉仕の手伝いをしていた伊丹産業(株)へ篝講は引き継がれています。

講元からのメッセージ
講元:北嶋 太郎(きたしま たろう)

天神祭が持つ1000年以上の長い歴史の中で、篝講という重大な役目を現代に引き継いでいるという自覚を持ってご奉仕しております。
篝火は元々薪を燃料としておりましたが、現在はプロパンガスを燃料として篝火を焚いております。

弊社は生活総合商社としてプロパンガスをメインに取り扱っており、天神祭においては消防基準をクリアした安全な設置と、自社の有資格者含む数百名で運営・保守を行います。

船上の篝火や、大川沿いの衛士篝火は天神祭には欠かせないものであり、我々は火を取り扱うプロとして、安全に事故なく遂行できるよう努めて参ります。

天神祭応援企業