天神講獅子てんじんこうしし

子どもと若者が中心の活気ある講

陸渡御のなかでも特に華やかなのが、獅子舞と笛と太鼓の囃子、そして共に行列する傘踊りと四つ竹の踊り手たちです。これら行列を担うのが、天神講獅子。天神祭を支えるの講のなかでも長い歴史を持つことで知られています。現在行列に参加しているのは約400名。人数の多さでも随一です。

天神講獅子の中心となるのは子どもや若者たち。幼児、小学生、中学生、青年から大人まで幅広い年代が参加しています。小学4年から獅子の尾を持つ練習を始め、6年からは獅子の頭を持てるようにします。役員による指導をはじめ、年上の子が年下の子に教えるなど、子ども同士でも技術を伝えていきます。6月からは笛と太鼓と獅子の練習が、7月中旬からは踊りの全体練習が始まり、本番に備えます。最近では参加を希望する子どもや保護者が増え、毎年新しいメンバーが加わります。

元禄時代の昔より

天神講獅子の始まりは、約300年前の江戸時代、享保4(1719)年と伝わっています。しかし、講に伝わる歌に「元禄時代の昔より」という歌詞があるため、さらに昔の元禄年間からという可能性もあります。
当時、大坂には寺子屋がたくさんありました。それらの人々が天満宮に「天神講」としてお参りし、奉仕をするようになり、それが現在の天神講獅子につながっているといわれています。

古来、獅子は神聖なものであり、獅子が通った道は清められるとされていました。そのため、昔は陸渡御の行列では笛や太鼓の囃子と獅子舞が先に出て、清めた道をご祭神が通っていたのです。
獅子舞の獅子は一刀彫の本格的なもので、江戸時代から伝わる貴重なものもあります。木製の獅子はとても重く大変な負担がかかるため、舞は交代で行われます。

講元からのメッセージ
講元:森本 幸一

天神獅子講は、祭の本番以外でも国内外でイベントや公演に参加することが多く、海外でも人気をいただいております。最近では小学校に出張授業をしたり、社会科の副読本で紹介していただいたりなど、広く知っていただく機会も増えました。

祭の担い手が少なくなっているといわれる現代ですが、おかげさまで私たちの講にはたくさんの人が参加してくれています。新期で参加したいという方は、ご相談いただければ案内いたします。これからも天神祭の伝統を、若い世代に伝えていけたらと思っております。

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